コーティング

フッ素コーティング剤を車に施工するメリットとデメリットとは?

ボディコーティングにはいろいろな種類があります。
その1つがフッ素コーティング剤。
手軽にDIYできるタイプも数多く販売されていますね。
フッ素コーティング剤が持つメリットとデメリットを紹介します。

手軽にコーティングできることが最大のメリット

フッ素化合物は、意外と身近にあります。
たとえば歯磨き剤。
歯の表面に硬い被膜を作って強化、歯垢による酸の増殖を防ぎます。
それからフライパン。
焦げ付かないテフロン加工やフッ素加工など、聞いたことがありますよね。
どちらも同じで、テフロンはデュポン社の登録商標というだけです。
鉄やアルミなどの表面をフッ素化合物で覆うことにより、焦げ付きを防ぎます。

人体にも微量に含まれているフッ素は、他の元素と反応することでさまざまな役割を果たします。
この性質を利用したのが、フッ素と樹脂を混合したボディコーティング。
歯磨き剤やフライパンと同じようにボディ表面を滑らかにします。
ボディコーティングの定番であり、王道といえばガラスコーティング。
でもガラスコーティングは施工が難しいため、プロに依頼するのがベスト。

その点、フッ素コーティングはDIY用品がカーショップなどで数多く販売されています。
自分でコーティングできること。
これが、フッ素コーティングが持つ最大のメリットです。

ちなみに上記2つの他に、ポリマーコーティングと呼ばれるタイプがあります。
大別すると、これもフッ素コーティングとほぼ同じ。
フッ素やシリコンなどを含んでおり、その含有割合でいろいろな呼び方がされるわけですね。

プロの施工でも耐久性は1年が限度

DIY用のフッ素コーティング剤は、ピンからキリまでいろいろな種類があります。
たとえばウエスにコーティング剤を染み込ませ、ボディを拭くだけのタイプ。
もっとも一般的なのはスプレー式。
吹き付けて拭き取るだけなので、こちらも簡単。

ただし、ムラができやすいというデメリットがあります。
DIYは下地処理からきちんと行う必要があり、手間と時間が必要です。

DIY用品のピンキリですが、その違いは単純にコーティングの耐久性です。
フッ素コーティングは元来、耐久性がありません。
ボディを拭くだけのタイプは、艶出し効果があるものの、1回洗車すれば効果がなくなります。
価格が高いタイプになると被膜は長持ちしますが、それでも3〜6ヶ月ほど。
良質なワックスとあまり変わらないですね。

フッ素コーティングの特徴は、高い撥水性を持っていること。
ワックスに比べるとやや硬いので、汚れがつきにくく、洗車の手間も多少は省けます。
コーティングの専門業者でも、フッ素コーティングを扱っているところがあります。
「ワックスの手間は面倒、でも予算的にガラスコーティングは無理」という人は、プロにフッ素コーティングを依頼した方が無難です。

弱点の原因は粘着性を高める樹脂

プロの施工では下地処理をしっかり行い、良質なフッ素コーティング剤を使用します。
したがってDIYよりも艶が深く、撥水効果や耐久性も期待できます。

ただし、プロの施工でも弱点は同じ。
フッ素化合物は非粘着性という特性があります。
つまりボディにくっつきにくいわけですね。
粘着性を高めるために樹脂を混合させるのですが、これが耐久性を早める原因。

樹脂は紫外線で劣化します。
保管場所や季節によっては、耐久期間が短くなることもあります。
劣化すると剥がれ落ちる場合があるのも難点。
部分的なムラができると、見た目が汚くなるばかりでなく、ボディにも悪影響が出ます。

また、樹脂が混合されていると被膜は柔らかくなります。
ワックスよりも硬いとはいえ、小キズを防ぐことはできません。
フッ素コーティングはあくまで艶出しと考えた方が無難。
過度な期待は禁物です。

まとめ│コスパと効果を考えたらガラスコーティング

過度な期待、とはガラスコーティング並の強度や耐久性と比較することです。
やはり手軽、安価な分だけ効果が劣るのは仕方のないこと。
ボディメンテナンスをこまめに楽しくできる人であれば、フッ素コーティングでも十分です。
しかし、屋外駐車で洗車が苦手、時間もないという人はあまりおすすめできません。

その点、プロ施工のガラスコーティングであればフッ素コーティングのデメリットを補えます。
耐久性は3〜5年。
硬い被膜は紫外線の悪影響を防ぎ、衝撃にも強いので小キズがつきにくくなります。

問題は価格ですね。
確かにフッ素コーティングの方が安価ですが、これは1回当たりの施工料の比較。
たとえ1年持っても、ガラスコーティングの耐久性と等しくするなら最低3回の施工が必要です。
これはプロ施工の場合ですね。

DIYなら、もっと頻繁に施工しなければなりません。
手間と時間を考えたら非効率、しかも割高です。
プロ施工のガラスコーティングは1回の施工は高くてもコストパフォーマンスに優れています。
とくに新車は、まだボディに汚れがそれほど付着していないので、下地処理も安い費用で済みます。
新車の輝きを長く保ちたいなら、プロの施工によるガラスコーティングがおすすめです。