コーティング

車のコーティングにはどんな種類がある?各特徴について解説

ボディを被膜で保護するのがコーティング。
つまり被膜の種類だけ、コーティングの数があります。

選びたいのはDIYで作業できる簡単なタイプでしょうか?
それともプロの施工による高い品質のタイプでしょうか?
自分のニーズに合ったコーティングを選びたいですね。

今回は、車のコーティングの種類・特徴について解説します。

DIYで作業できる市販コーティング剤

最近の車は、以前に比べて塗装が格段に進歩しています。
各メーカーとも独自のカラーを作り出し、個性を際立たせていますね。

しかし、塗装がどれほど鮮やかでも、保護しなければ色褪せてしまいます。
塗装の上にコーティング、つまり被膜を施すのはメンテナンスのひとつ。

まずは自分で施工できる簡単なコーティングから紹介しましょう。

カーワックス

もっともスタンダードなコーティングです。

いろいろなコーティングが登場する以前は、塗装の保護と艶出しはワックスが定番でした。
もちろん今でも愛用者は多くいます。

メリットは施工のコツがシンプルであること。
洗車した後、ひたすらワックスを塗り込み、乾いたら拭き取るだけです。

デメリットは手間がかかること。
塗り込み作業はかなり時間を要し、拭き取りもラクな作業ではありません。
また油脂を含んでいるので、大気中の汚れを取り込みやすいのが難点。
雨で流れるとボディを汚します。
多種販売されており、洗車不要や拭き取り不要のタイプもありますね。

ただし、手間を省いたワックスはそれなりの効果しか得られないと思った方が無難です。
ワックスで被膜を作るなら、上質なタイプを選びましょう。

ポリマー系コーティング

ポリマー系コーティングは、ワックスに替わり、DIYで施工できるコーティング剤として人気を集めています。
ポリマーとは重合体という意味。
比較的小さな分子が重なり合い、鎖状や網状になった状態のことです。
化学的に被膜を作りやすいため、一時はプロの施工でもコーティングの主流になりました。

現在、DIYで施工できるコーティング剤はほとんどがポリマー系です。
メリットは作業が比較的簡単なこと。
販売されている多くの商品は、洗車後にボディにスプレーし、拭き取るだけ。
液体なのでワックスに比べると拭き取りもラクに行えます。
油脂のワックスに比べるとギラギラ感がなく、やや控えめな光沢が特徴。

デメリットは1回当たりのコストがワックスよりも高いこと。
それから持続する期間が3〜6ヶ月と短いことが挙げられます。
他にはフッ素系コーティングやガラス系コーティングがありますが、基本はポリマー。
フッ素やガラス繊維の含有量で名称がつけられているだけです。

プロの施工によるガラスコーティング

プロの施工によるコーティングは品質の高さが最大の特徴。
DIYのポリマーと違い、シリカなどを原料とした完全硬化型のガラス被膜を作ります。

完全硬化型をDIYで行うのは困難な作業です。
塗りムラが起きやすく、しかも失敗すると全部剥がして最初から作業しなければなりません。
この難しさから、ガラスコーティングはプロ施工の領域となっているのです。

DIYのコーティング剤に比べると料金は高い分、その効果は絶大。
施工時、塗布前にボディを徹底的に磨き上げるため、深みのあるツヤと光沢を実現します。

ガラスコーティングは100%無機質。
ワックスのように大気中の汚れを含んだ油脂が流れ落ちることもありません。
滑らかな表面が汚れても、定期的な水洗いだけで簡単に落とすことができます。
硬い被膜は小さな飛び石程度であればキズを残さないこともメリットのひとつ。

プロが施工するガラスコーティングには、撥水性と親水性があります。
この2つは市販のコーティング剤でも分類されていますが、その効果には格段の差があります。
自分のカーライフに合わせて、どちらかを選びましょう。

撥水性

撥水とは水が転がり落ちるような作用のこと。
雨上がりや洗車後、ボディ表面に無数の小さな水玉を作るのが撥水性です。
いかにもガラスコーティングらしい仕上がりですね。
メリハリのある光沢が撥水性の特徴。
赤や黒など、際立ったボディカラーほど効果が実感できます。

ただし撥水性は、雨上がりや洗車後に注意が必要。
ボディに残った水玉が被膜にダメージを与えるからです。

大気中の汚れを含んだ雨水が乾くと、ボディに汚れが残ってシミを作るのがイオンデポジット。
水玉がレンズ効果となって、表面に焼け跡を残すのがウォータースポット。

これらは日光に晒される時間が長いほど起きやすい現象です。
したがって屋内に駐車できる環境を持っている人に向いています。

親水性

親水とは水との間に水素結合を作るため、水に馴染みやすい性質のこと。
親水性のコーティングをすると、水が広がって面のようになるのが特徴です。

もちろん、広がっても水を弾くことには変わりありません。
撥水性よりも汚れが落ちやすく、雨が降った後ではかえってきれいになることもあります。

光沢はナチュラルな輝きなので、白やパールといったボディカラーに最適。
「頻繁に洗車できない」「駐車場が屋外」という人に向いています。

まとめ

プロの施工によるガラスコーティングは3〜5年持つといわれています。
これだけでも市販コーティング剤とは大きな違い。
愛車の輝きをできるだけ長持ちさせるなら、プロに施工依頼することをおすすめします。

なお、プロの施工でも超撥水や超親水、セラミックコーティングなどといろいろな名称があります。
呼び名が違っても、基本的にはガラスコーティング。

ただし、工程や溶剤成分には若干の違いがあります。
施工前にメリット、デメリットをしっかり聞いてから依頼